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2008年度 第2回オホーツク実学市民公開講座が開催されました。


2008年度第2回オホーツク実学市民公開講座が開催されました!

2008年12月12日(金)に第2回オホーツク実学市民公開講座が開催されました。今回は『オホーツク地域の再生と「オホーツク学」の展望』のテーマでおこなわれ、多くの議論が交わされました。
 地方経済が深刻な状況に瀕している中で、「網走地域においてどのような地域振興が問われているか」という問題を見直すため、今年で没後百年を迎えた東京農業大学の創設者、榎本武揚先生の事績からその志を今一度学び直すと同時に、生物産業学部の創設20周年を迎えた本校においてもどのように地域と関わっていくか、という地域における大学の在り方について議論をおこないました。


▲挨拶:東京農業大学 大澤貫寿学長


▲来賓挨拶:網走支庁 加藤建一氏


基調講演 臼井 隆一郎氏(東京大学 総合文化研究科 教授)
「榎本武揚から見た世界史とオホーツク海圏」

▲臼井氏 基調講演の様子
 臼井先生の報告では、榎本武揚が生きた時代をしっかり捉え、世界を旅した榎本武揚の功績について具体的に説明していただきました。
 また、榎本武揚が初めて北海道を訪れた18歳の時、堀利熙(ほりとしひろ)と共に約6000qを回ったことも報告していただきました。蝦夷地(北海道)への本来の目的は、蝦夷地の北方防備でしたが、蝦夷地の豊かな資源を見聞しながら堀利熙に全面的に関わっていたのではないかと、非常に興味深い推測もしていただきました。たしかに、その後も箱館戦争をはじめ、北海道開拓と榎本武揚が大きく関わってきたことから、北海道の資源的可能性を見出していたのではないかと思われます。

パネルディスカッション

▲コーディネーター 田中先生・小松先生
 パネルディスカッションでは、『オホーツク地域の再生と「オホーツク学」の展望』について議論しました。コーディネーターは東京農業大学の田中俊次先生と小松善雄先生によっておこなわれました。
▲熱く語る黒瀧先生
東京農業大学オホーツク実学センター長、黒瀧秀久先生からは、「榎本武揚と『オホーツク学』の創造」と題して、榎本武揚の功績は特にどこにあったのかについて報告がありました。
 榎本武揚は近代日本の殖産興業の立役者であるとし、特に北海道において資源開発を行うことに先見性を見出していたということです。また、この地域資源を活用していく姿は、今一度”モノづくり”を根本的に考え直す必要があると強く述べました。


▲中原氏 熱心にお話しいただきました。
 網走商工会議所会頭、中原章博氏からは「地域活性化と大学への期待」と題して、現在の網走企業の課題について報告していただきました。特に網走地域の事業所は食品製造業が多く、水産加工品を主としているのが、その加工度が低いことから新潟県村上市の鮭の利用と比較して、高付加価値生産を行う必要があると述べていただきました。そして、その技術的サポート、マーケティングなどを大学側と協力して、連携強化を図りたいと述べました。


▲北見工大 高橋先生
 北見工業大学地域共同研究センター長、高橋修平先生からは、「大学の地域社会貢献−北見工業大学と東京農業大学との包括的連携協定の可能性−」と題して、北見工大の地域共同研究センターでの研究取り組みと東京農大との農工連携の必要性について報告していただきました。
 オホーツク地域において限りある大学・研究所の中での包括的な取り組みは、お互いの研究成果を高める働きのみならず、地域のニーズについても共に認識することによってオホーツク全体の研究がより進められることが重要であると述べていただきました。


▲龍谷大学 重本先生
 最後に、龍谷大学経済学部教授、重本直利先生から『地域社会経営としての「京都産業学」と地域活性化の課題』について報告していただきました。
 今年度から龍谷大と「教育プログラム交流(京都産業学とオホーツク学)」を行い、8〜9月に京都、網走それぞれで学生交流を行いました。これによる連携のねらいは、お互いの地域における産業・資源・文化・風土などがまったく異なることから、学生により多くの知見を広めてもらおうとするものです。
 そして、京都の地域的特性から地域活性化の課題について報告していただくのと同時に、この様な取り組みが今後も重要になると述べていただきました。


▲榎本武揚の曾孫 榎本先生
 コメンテーターに、東京農業大学客員教授で、榎本武揚の曾孫にあたられる榎本隆充先生からコメントをいただきました。
 榎本武揚はヨーロッパ留学中から既に国家意識というものを持っており、日本も世界の中の一つの国であるという考え方でありました。そして、「日本の国益を何とか守っていきたい」と思うと同時に、世界の国々とも仲良くしていきたい。ナショナリズムとグローバリズムを融合させて、国益を守りながら外交もうまくやっていく、このような考え方の政治家がいると良いのではないか、と述べていただきました。


▲技術史研究・地層研究・榎本研究 中山氏
 また、榎本武揚の研究をなさっている中山昇一氏より、榎本武揚が亡くなったとき、電気学会から送られた弔文を、「技術的な視点」から解説していただきました。そこには色々なことが書かれていたそうですが、『徳があり、社会福祉に貢献が大きかった人物』と書かれていました。榎本武揚は軍人で始まって、エンジニアになりましたが、「本当のエンジニア」としての精神があったことを報告していただきました。


全体ディスカッション

▲活発な意見交換がなされました。
 最後に、全体ディスカッションを行いました。地域における大学の在り方について議論が行われ、それぞれの立場から地域に対する取り組みについて報告していただきました。
 また、フロアからは、「モノづくりの視点も重要であるが、ヒトづくりも重要ではないか」という質問がありました。たしかに、今後、少子高齢化が進むにつれ、地域における労働力は減少することは明らかです。ヒトを育てることを前提に”学び、技術を活かす”といった人材教育の重要性が浮かび上がりました。
 この度のシンポジウムでは、それを再確認することができました。


閉会の挨拶

▲閉会の挨拶をする永島先生
 東京農業大学の永島俊夫先生より、閉会の挨拶をいただきました。
 この『現代GP』の取り組みについて、「今後も継続して行っていくことが、網走地域の活性化へとつながってくるのでは」とお話がありました。
 盛況のうちに、無事終了いたしました。


 

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