トップ > 活動報告 > Cクラス 活動報告

Cクラス 活動報告 


2008年度現代GP Cクラスミニシンポジウムを開催しました!

 2009年2月7日(土)に現代GP流域生態系連携活性化教育プログラム(Cクラス)の1年間の活動と網走川流域の環境改善に向けて、網走市のエコーセンター2000に於いて、「私たちは網走川から何を学んだか?」をテーマにミニシンポジウムを開催しました。
 この度のミニシンポジウムは、「学生報告」と「パネルディスカッション」の2本柱で実施し、当日の参加者は一般聴講者を含めて約50名にものぼりました。


▲総合司会:
東京農大アクアバイオ学科 園田武先生


▲会場の様子


▲会場の様子
 本年度Cクラスは、魚類調査班、水質環境調査班、環境意識調査班の3班に分かれて、網走川流域の現状について調査してきたことから、この度の「学生報告」では、1年間の活動報告として、各班それぞれ代表者に、網走川流域の現状と課題ついて報告してもらいました

受講学生の報告

▲熱弁する米山くん
 魚類調査班では、報告者の米山悠輔君(アクアバイオ学科3年)より、網走川流域の上流2河川と下流1河川での魚類調査の結果を報告してもらいました。
▲緊張気味の林くん
 水質環境調査班では、報告者の林一真君(アクアバイオ学科3年)より、網走川の水質調査の結果や、網走川水系と幹川流路延長や流域面積が似通っている常呂川水系や東京都の多摩川水系との比較で明らかになったことを報告してもらいました。


▲わかりやすく話す末沢くん
 環境意識調査班では、報告者の末沢海一(アクアバイオ学科3年)より、河川工事の変遷を中心に、網走川に対する環境意識の変化について報告してもらいました。


 フロアからは、学生の報告内容についての質問やコメントが多く寄せられ、活発な意見交換が行われました。日頃、人前で話すことがない学生にとっても、市民の方々と交流することのできるよい機会となりました。

パネルディスカッション

 パネルディスカッションでは、網走川流域の課題の取り組みを検討してため、4名のパネラーを招き、それぞれ“物質循環”、“農業(土づくり)”、“漁業”、林業の視点から流域環境保全の課題ついて報告してもらいました。

▲宗村広昭先生
 第1報告の宗村広昭氏(島根大学生物資源科学部助教)からは、「網走川流域における物質循環〜モデル解析によるアプローチ〜」と題し、網走川流域と流域環境が似通っている島根県の斐伊川流域との比較研究の成果を踏まえて、網走川流域の物質循環の現状について報告していただきました。
 網走川流域の物質循環をモデル解析によって行うという研究内容は非常に興味深く、フロアからも宗村先生の今後の研究に対する期待の声が多く上がりました。


▲相馬尅之先生
 第2報告の相馬尅之(北海道大学大学院農学研究院准教授)からは、「網走川流域における農業と土づくり」と題し、農地における土づくり(土壌管理)は、“土”という農家にとっての財産の管理であり、その取り組みが結果的には土砂流出を減らし、流域環境の保全へ繋がるという視点で、報告して頂きました。
 現在の機械化農業では土壌圧縮「締固め」によるマクロ間隙の縮少を避けるは困難であり、「マクロ間隙の再生」は土壌管理の重点項目と位置づけられること。また、堆肥や緑肥、収穫残渣などの「有機質資材」をマクロ間隙中に鋤き込むとマクロ間隙が保全されること。そして、「省耕起」が土壌の間隙構造の保全による作物生育の適正化と農地の保全へと繋がり、農業と環境の両立が期待できる、といった点をご報告頂きました。
 この度の報告は、これまでの土づくりの考え方を改めさせられたとともに、網走川流域の主な汚染原因の一つである河川への土砂流入解決への糸口を見出すきっかけとなりました。この解決への糸口は、農家の自分の資産を守ることが結果的には流域環境の改善に繋がるという点です。これまで土砂流入の対応策を検討する際には、どうしても農家の責任を問うような形しか提案できませんでしたが、相馬先生の提言は、農家にとっても漁業者にとってもプラスであり、流域環境保全を考える上では非常に重要な指摘です。


▲渡部貴聴氏
 第3報告の渡部貴聴氏(網走市水産港湾部水産漁港課)からは、「漁業から見た流域環境」と題し、網走市の漁業概要や網走市河川等漁場環境保全対策協議会の取り組みなどについて報告して頂きました。
 流域環境の変化の影響をもっとも受けるのは下流域の漁業者であり、漁業者にとっていかに流域環境の維持・改善が重要なのか、また、今積極的に漁業関係者自らが流域環境改善にむけて取り組んでいることを知るよい機会となりました。


▲加来聡伸氏
 第4報告では、加来聡伸氏(東京農業大学大学院生物産業学研究科博士後期課程)より、「流域生態系連携と循環型システム構築の課題」と題し、林業の視点から流域環境改善にむけた課題について報告して頂きました。
 周知のとおり、河川環境の維持・改善においては、流域の上流部にあたる森林の適切な管理が重要となります。加来氏からは、わが国における林業の現状をはじめ、森林・林業の活性化に向けた取り組みとして、網走西部・東部流域活性協議会による取り組み、特に最近積極的に取り組まれている森林認証の取得による木材ブランド化など、流域管理システム構築の課題について報告してもらいました。
 今回のミニシンポジウムでは、林業関係者が少なかったこともあり、フロアからは加来氏の報告に対して多くの関心が寄せられました。


 また、コメンテーターとしてお越し頂いた新谷哲章氏(網走市河川等漁場環境保全対策協議会会長)、谷満春氏(JAつべつ 津別町特別栽培農産物推進協議会会長)、小路康子氏(網走消費者協会顧問)からは、それぞれ漁業者、農業者、市民(消費者)の立場からコメントを頂きました。
 日頃、現場に携わる方々からのコメントには重みがあり、早急に網走川の流域環境改善にむけた取り組みを提言しなくてはならないと強く感じました。

▲重みのあるコメントをする山本くん
 最後にこの度のシンポジウムの感想として、山本正樹(アクアバイオ学科3年)にコメントして頂きました。地元網走で漁業を営む両親の手伝いをしながら、日頃から網走川の流域環境について考えてきた彼の発言には、重みがあり、学生のコメントとして非常によいものでした。


 この度のシンポジウムでは、林業、農業、漁業、そして市民を含めて活発な議論を行うことできました。この1年、Cクラスでは、林業、農業、漁業といった様々な視点から流域について学習してきましたが、この度のシンポジウムを通して学生もこれまでの何のために様々視点から学習してきたのか、理解してくれたと思います。
 今後も、網走の流域環境の改善にむけた具体的な提言を、本学から積極的に発信していきたいと思います。

 

▲ page up
≪≪ event top