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現代GPと東京農大の取り組み

《目次》

現代GPとは

  1. 現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
  2. 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム選定取組の概要及び選定理由

東京農大の取組

  1. 取組の概要
  2. プログラムの適合性
  3. 実現可能性(具体的な実施能力)
  4. 教育の社会的効果等
  5. 評価体制等

東京農大の取組に対しての計画

  1. 平成17年度
  2. 平成18年度
  3. 平成19年度

現代GPとは

1.現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)

 「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」は、各種審議会からの提言など、社会的要請の強い政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学等から応募された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト(取組)を選定し、財政支援を行うことで、高等教育の活性化が促進されることを目的とするものです。

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2.平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」選定取組の概要及び選定理由

大学等名:東京農業大学
テーマ名:地域活性化への貢献(広域展開型)
取組名称:地域連携によるオホーツク学の展開
−コンソーシアムを基軸とした教育プログラム開発−
取組担当者名:生物産業学部 生物産業学部長・教授 伊藤 雅夫

(取組の概要)
 オホーツク地域における農林水産業、加工・流通業など個々の生物産業のポテンシャルは高い水準にあるが、総合力として地域全体の活性化を推進するポテンシャルは低い。本取組は広大なオホーツク地域を舞台に「生物産業」を核として地域活性化を実現するための教育と研究と活動の総合推進力を「オホーツク学」と位置づけ、これを展開するための教育プログラムの開発である。実践に当たり、大学に「オホーツク実学センター」を設置し、これを拠点とした自治体・産業界・生産者・消費者とのコンソーシアムを形成する。コンソーシアムを軸とした地域活性化のための実学教育プログラムは基礎編から、地域融合化プログラムへと展開しさらに環境共生型プログラムへと、現実的具体的に段階的に発展するという内容を持ち、学部生、大学院生、研究者のいずれもが参画できる構成となっている。「オホーツク学」の展開はオホーツク地域活性の推進力となることが期待できる。
(取組を実施する地域は、環オホーツク海圏全体であり、自治体としては網走市、北見市、紋別市、網走管内町村を含み、網走建設開発部、北海道網走支庁との連携も図る。)

(選定理由)
 本取組は、オホーツク地域における研究、フィールド教育、地域活動全体の取組を「オホーツク学」と位置づけ、その一環として教育システムを構築しようとするものです。
 ベーシックプログラム、実学教育プログラム、スペシャルプログラムと3種類の趣旨の異なるプログラムで構成される本取組は、教育システムとして充分に体系化されているとともに、内容は豊富で、中身は十分に魅力的です。また、地域との連携実績は充分で、プログラム実現の可能性は極めて高いと考えられます。
 本プログラムが実施され、地域との連携が更に深まれば、教育の質的向上、地域活性の両面で、大きな成果を挙げることが期待できます。
 本取組は、オホーツク地域に限定したものであるが、その分析手法、教育手法は普遍的なものとして応用可能であり、他大学の地域連携教育システム構築のモデルとなりうると考えられます。

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東京農大の取組

1.取組の概要

 オホーツク地域における農林水産業、加工・流通業など個々の生物産業のポテンシャルは高い水準にあるが、総合力として地域全体の活性化を推進するポテンシャルは低い。本取組は広大なオホーツク地域を舞台に「生物産業」を核として地域活性化を実現するための教育と研究と活動の総合推進力を「オホーツク学」と位置づけ、これを展開するための教育プログラムの開発である。実践に当たり、大学に「オホーツク実学センター」を設置し、これを拠点とした自治体・産業界・生産者・消費者とのコンソーシアムを形成する。コンソーシアムを軸とした地域活性化のための実学教育プログラムは基礎編から、地域融合化プログラムへと展開しさらに環境共生型プログラムへと、現実的具体的に段階的に発展するという内容を持ち、学部生、大学院生、研究者のいずれもが参画できる構成となっている。「オホーツク学」の展開はオホーツク地域活性の推進力となることが期待できる。

(取組を実施する地域は、環オホーツク海圏全体であり、自治体としては網走市、北見市、紋別市、網走管内町村を含み、網走建設開発部、北海道網走支庁との連携も図る。)

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2.プログラムの適合性

 もともと、農学のプログラムは本来的に実践性の強い性格を持ち、フィールドワークが必要とされる性格を持っていた。しかしながら、近代農学は分子生物学や医学分野の研究が中心になると、分析的な研究が中心となり研究領域も細分化されて、その研究の体系性と実践性が乏しくなり、現在の農学の有効性とその再構成が求められてきていると言っても過言ではない。その意味で、本学が1989年以降に生物産業学部を網走市に設置して、生物資源の宝庫であるこの地域を基盤とした生物産業を研究のフィールドワークとして活用し、生産・加工・流通・経営を生物と産業の視点から文理融合を行う研究を当地で開始した背景には、こうした問題点を克服しようとする教育・研究的見地からであった。こうした研究教育のプログラム化と実現性を具体化していくために、二つのプロセスが必要となる。第一のプロセスは行政・自治体・産業(企業)・NPO・市民・農民という学外の団体の連携とコンソーシアムの実現であり、第二には教職員(これには必要に応じて3キャンパスの全教職員が総合的に関わる)・学生(これも同様である)・父母(教育後援会でこれも同様である)の連携した学内横断的コンソーシアムの形成であり、この二つのコンソーシアムを融合化させる総合的なコンソーシアムが本プログラムの目標である。
 これまでの実態としてもすでに試行錯誤の過程で徐々に実績を積み上げ、今日までに衰退化する地域の再活性化に大きな役割を果たしてきている(資料−2,3参照)。たとえば、地域での産・官・学・民のコンソーシアムの形成に関しては、16年前からオホーツク・大学間交流協議会が管内の5大学(道都大学・北見工業大学・北海学園北見大学・日赤看護大学・東京農業大学)で設立されて活動を行い、コンソーシアムの形成とその地域活性化の実績を既に作り上げてきている。これは、任意団体ではあるがNPO的な活動を行ってきており、1995年には日本学術会議北海道地区会議が開催した「環オホーツク海圏の将来」の開催を行い、北海道と網走支庁管内ばかりではなく広域交流圏としての環オホーツク海圏交流を目指した活性化の課題を議論してきている。
 さらに、2003年度からは、網走市が地域に根ざした政策を実現するための政策提言を市民と農大(これには学生も参加するが)とで形成した網走政策塾(資料−4,5,6,7参照)というコンソーシアムも開設され、ここで掲げる体験型ツーリズムの具体化を提言するようなプログラムをも見せてきている。また、網走寒冷地農場では、北海道開発庁網走開発建設部との産学官連携プロジェクトを学部開設以前から持続的に展開してきた(資料−8)。加えて、産学協同による具体的なビジネス化の動きも進み、網走地ビール開発への援助や魚醤の開発、オホーツクます寿司の製造など、地域の起業化や地域産品の開発とブランド化に大きな成果をもたらしてきている(資料−9)。しかし、これまでの取組にはその方式において種々の問題点があった。もっとも大きな問題点は、地域的な連携やコンソーシアムの形成が、個々人や教員の研究室、学科、農場単位のレベルでなどのパーソナリティーや個々の単独の組織でのみ実施されてきたという点である。こうしたいわばバラバラに実施してきていたプログラムを総点検するという意味で、そのプロセスをリエンジニアリングし、そのうえで全体的に再構築する事がより実効性のある研究教育体制の構築につながっていくという考えの下、このプログラムに向けたプランニングを進めていきたいと考えている。
 いずれにせよ、これらのプログラムは東京農大の実学主義を現代の科学の視点から、北海道という広大なフィールドの中で実現しようとするものであり、21世紀における農学プログラムを総合的に再点検すると共に、オールド・アカデミズムからのメタモルフォーゼを実学主義という新しい皮袋に盛り込む事で、文理融合型の教育プログラムの形成を目指し、最終的には地域活性化に繋げていこうとするものである。
 また、バイオテクノロジーや細分化された分析農学に象徴される従来のアカデミズムの体系にある農学を打破して、実践総合農学を新たに再構成すべき時を迎えていると思われる。このプログラムではこうした中に実践性を重視した、生物という理系的な課題と産業という社会科学における課題が、自然と人間との物質代謝過程から持続的な視点として、融合化され総合化されることが求められており、農学の再点検(リエンジニアリング)をも目指そうとするプログラムである。

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3.実現可能性(具体的な実施能力)

 既に述べてきたように、本学生物産業学部は各種の地域との連携やコンソーシアムの形成、さらにはプロジェクト研究を充分に蓄積して活動を行ってきた。その意味では、具体的な実施能力を大きく備えているものと考えている。実施に際しては、全学的な検討を3キャンパスの協議のもとオール農大で行い、そのもとで実践のスキームは生物産業学部に「オホーツク実学センター」を学部長のもとに付置する新たな機関として設立し、専任の教員と事務職員を配置するものとする。このセンターが「現代的教育ニーズ取組プログラム」プロジェクト委員会を設置し、教員・学生及び大学院生・自治体・産業界・市民・農家・NPOで構成する委員会で具体的な実施プログラムとスケジュールを策定していくこととしたい。
 このプログラムは3類型のプログラムの体系から構成される。第一のプログラムのコンセプトは、既存の4つの学科を基礎とした、ベーシックプログラムで第T類型プログラムとし、以下の4つのプログラムが想定される。第Uの類型には、生物産業学としての応用プログラムで、これらの全ての分野の総合化・統合化・融合化を図る学際的プログラムである。第Vの類型は、アップツーデートで地域横断的な課題に取り組むスペシャルプログラムである。これは5つのプログラムから構成される。この3類型のプログラムは基礎編から、地域融合化プログラムへと展開しさらに環境共生型プログラムへと、現実的具体的に段階的に発展するという内容を持つ。
第T類型のベーシックプログラムは各学科を母体とした4つの実学教育プログラムで、各コースに分かれる。

 第1のコースは、生物生産学実学教育プログラムである。これは、生物生産に関わる、農学の研究を媒介とした、研究教育プログラムで特に農場でのフィールドワークを中心とした教育実践を行い、オホーツクの大地を満喫できるような実践性を持つことを目的とする。いわば“森と大地の学校”教育プログラムある。

 第2のコースは、新たに設置されるアクアバイオ学を実学とした研究教育プログラムである。アクアバイオは、農大全体としても初めて総合的に取り組む研究教育分野であり、この学科が開設されることで、総合農学としての山から海までの連携した教育プログラムが実現される。アクアバイオ実学教育プログラムは、オホーツク海における漁業資源の総合的な研究教育をするばかりでなく、上流と下流の連携としてのエコシステムマネージメントから、魚付林の造成やNPO活動の教育実習プログラムまでを検討する。いわば“海洋と魚の学校教育”プログラムである。

 第3のコースは食品科学科を中心とした食品科学実学教育プログラムである。ここでは産学協同ですでに網走地ビールの開発、魚醤の開発、さらにはアイスクリームや、パンなどの地域資源としての食材を利用した、総合的食品開発や地域ブランド化の研究教育を行なっており、さらには、エミューの高次加工にも取り組んでいるプログラムである。いわば、“地域と物づくりの学校”教育プログラムである。

 第4のコースは、産業経営学科を中心とした産業経営学実学教育プログラムである。産業経営学は、第1から第3のコースまでのプログラムを産業化、ビジネス化の視点から総合的に研究教育し、それぞれのビジネスモデルの点検や創出、さらには産地ブランド化とそのマーケティング等の教育研究を行なうプログラムである。いわば“アグリとビジネスの学校”教育プログラムである。

 第U類型の実学教育プログラムは、これらをトータルな生物産業学として総合化するための生物産業学融合化実学プログラムである。これは学際融合的研究教育プログラムであるので、第T類型のプログラム修了者を総合的に集めて教育研究を行なうプログラムで、全体の総括的な位置に属するプログラムである。主として大学院生や社会人入学者を中心として教育プログラムを実施する。いわば、“実学の森アカデミア”教育プログラムである。
 第V類型のスペシャルプログラムとして、地域的な環境共生の課題に応える教育のために、以下の5つのコースのプログラムを開設する。

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(1)環オホーツク海圏広域交流教育プログラム
東京農業大学では、学内のプロジェクト研究において環オホーツク海圏の交流を積み重ねて現在では、サハリン農業科学研究所との姉妹研究協定や国立モンゴル農科大学との姉妹校提携などの実績を蓄積してきた。これからは、広域圏交流における環境との共生の課題が重要となるので、環オホーツク海圏における交流をロシア極東・モンゴル・中国黒龍江省との環境共生に関わって国際交流と教育を行うプログラムである。

(2)知床世界自然遺産エコシステムマネージメント教育プログラム
知床半島は、国立公園に指定されているエリアであり、わが国では、4番目の世界自然遺産に本年度指定される可能性が大きい自然の宝庫である。ここには、環境共生を行うことを目的とした知床財団がすでにあり、こうした財団と環境NPOと大学が連携することで、エコシステムマネージメントを生物産業の視点から構築しようというプログラムである。ここでは、ボランティア活動や産業と自然の相克の課題に取り組むことも問われることとなる。

(3)流域生態系連携活性化教育プログラム
循環型社会の形成のもう一つの課題である上流から下流までの流域生態系循環の考え方を地域の農家・林家・漁民・市民と協同組合である森林組合・農協・漁協・生協及びNPOを総合化した流域生態系循環型のシステム作りを目指す教育プログラムである。特に人工林化した森林の放置は、土砂災害などを引き起こし、河川や海洋に影響を与え、また、農家の家畜糞尿や化学肥料の多投は河川の富栄養化を引き起こして海に影響を与え、さらに住民の生活雑排水は海に影響を与えている。こうした、流域生態系循環再構成の課題を学ぶ実学教育プログラムがこれである。具体的には、常呂川、渚骨川、網走川・網走湖、湧別川などの河川における森林・農地・市民・海洋の環境共生プログラムを実施する。

(4)新規就農ビジネス教育プログラム
近年、都市から新規就農を目指す住民が来道しているが、三作およびタマネギを中心とした畑作と大規模な酪農、日本最東端の稲作の中で、EUを抜いたといわれる網走で農業への新規就農を目指す人たちの教育プログラムがこれである。これは、在学生だけでなく社会人へも広く開放されるプログラムである。技術習得・マネージメント学習・金融サポートなどの具体的な実学教育プログラムを実施し地域の農業担い手の強化を目指す。

(5)エコ・グリーン・マリン・ツーリズム教育プログラム
これは特に重点的に行なうプログラムであるが、ベーシックプログラムと融合化プログラムとスペシャルプログラムを総合化して体験型ツーリズムとして、状況によっては地域の企業との独自のコンソーシアム体制で臨む教育・インターンシッププログラムである。具体的には、グリーンツーリズムは農家での体験を中心とした農作業主体でのツーリズムを行う企画を計画するプログラムで、森林業の枝打ち間伐プログラムもこれに加える。マリーンツーリズムは漁業体験のサケの捕獲やホタテの稚貝の選別、クジラの解体作業、地曳き網体験、海岸のゴミの回収、漁師とともに山に木を植える植林体験などを企画し、実施するプログラムである。エコツーリズム教育プログラムは、知床のボランティア活動を企画し実施する。このプログラムの実施に関しては、地域の観光協会・行政・各種協同組合・NPOなどと別個のコンソーシアムを組んで実施する。

 こうした、3類型の多様かつ複合的なプログラムは、既にそれぞれの学科で積上げられてきたものであるが、その総合化を図ろうとしている点が非常に重要なポイントであり「オホーツク学」の具体的な彫琢を行なうという点で、この「オホーツク実学センター」の推進力と求心力を高めていく事が実現可能性を大きくすると考えられる。ここで述べるオホーツク学とは、こうしたオホーツク地域の雄大な自然や、その地域に働き生活する人々の営みから学びとり、それを研究・教育に積極的に取り組むことでオホーツクの自然生態系や社会に還元しようとする全く新しい学術・研究分野である。(資料−1参照)

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4.教育の社会的効果等

「オホーツク実学センター」5の目指す理念は、以下の諸点である。

1.“地域が学校である”。
・・・・・これは地域の自然資源・人的資源・歴史的資源を大学が教育の視点から取り組む事によって、学生の教育等を最大限になしうる教育力を持つという事である。

2.“現実は実学研究テーマの宝庫である”。
・・・・・これは、実学主義教育に基づく蓄積が、現実的課題の中から新たな発見を導き出す研究推進力となることである。

3.“実学とアカデミズムの融合は新たな研究者の評価を生み出す”。
・・・・・決して基礎研究を無視するものではないが、オホーツクという壮大な実学教育の実験場で研究者の問題解決能力を引き出し、その研究能力と実績を新たな評価シス
テムで位置づけることである。

4.“現場体験の積み重ねが、学力と人間力を高める”。
・・・・・知識偏重型の人間像を修正し、実践から総合力を引き出す実学アカデミズムに基づいた人間の精神と実存形態を実現する。

5.“文理融合的研究教育が社会的ニーズとシーズを生み出す”。
・・・・・本プログラムの効果は、実践性と総合性から初めて生み出しうるという考え方である。

 以上のような教育理念の具体化するために、こうした地域活動と教育プログラムを単位化しさらには、職業体験をインターンシップ的に実施した場合には、キャリアデザインとして記録し大学が例えば、「オホーツク博物士」、「オホーツクツーリズム士」、「オホーツクビジネス起業士」などという大学独自の資格を与えることを考えている。さらに、こうした資格の制度化だけでなく、わが国で先駆的に実施され始めているジョイントデグリー(1学部2学士を4年間で取得する)制度を文理融合の理念から創出することも検討する。

 現在の大学教育は、明治以降座学が中心で細分化された研究や教育が圧倒的に多かった。その意味でも、このプログラムの実施は座学中心のスタイルから社会経験を通じて地域活性化へ取り組み、さらには実学としての新たな研究教育分野を創造することと、学生自身のインターンシップとしての社会性を獲得していく社会教育効果が大きいものと考えられる。また他方では、このプロジェクトに参画する学外の広範な人々が大学教育との接点を持つことで、再び大学での研究教育を目指しうるリカレント教育としての機能を併せ持ち、これが双方向性的な教育効果を生み出していくことが、このプログラムの重要な課題となっていくものと考えられる。

 こうした研究教育プログラムは、生物産業としての産業・ビジネス的側面の研究教育とともにオホーツクの大自然を前提とした環境共生を目指す21世紀型の自然と人の共生を総合的に研究する土壌を育み、「オホーツク実学センター」の機構の下で、地域の自治体・企業・NPOなどの社会人リカレント教育を含めた研究教育を深め、地域活性化につなげることを可能とする。

 このことが、ひいては地域研究分野としての「オホーツク学」の構築に繋がり、21世紀における環境共生と持続型の地域社会の形成と地域活性化へのインパクトを発信し続けることが出来るものと考えられる。

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5.評価体制等

 評価体制に関しては、本学における教学委員会が自己点検を含めた評価を行うが、外部評価委員からの評価を含めた点検を随時行い、またプログラムを実践した成果は、全学的に取り組んでいる実践総合農学会での発表や総合討論を経た点検を行ったうえでフィードバックすることを考えている。

 こうした成果は社会的評価を獲得するために「オホーツク実学センター」で常にマスコミ等へのPRに努め、各種講演会活動や小・中・高校、市民講座への模擬講義そしてプログラムの提供や発信力を提供することを検討する。

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東京農大の取組に対しての計画

1.平成17年度

 現在行われている各種のプロジェクトや地域連携活動の総合的な点検と、これらを総合的にまとめたコンソーシアムの形成を図ることを検討する。オホーツク地域における自然資源・生物資源及びこれを利活用する既存のビジネスを総点検し、そのデータベースを作成する。

 オホーツクを舞台として活動する全ての研究教育、開発、行政機関等のテーマについて整理しグルーピングとデータベース化を行い、その点検、再評価を行なう事で弱点を明らかにし、解決策を模索していく。その一部テーマの解決へのアクションプログラムとして実際に取り組み、行動を開始していく。

 この年は具体的には「オホーツク実学センター」とコンソーシアムのグランドデザインを産・官・学・民で構築する。こうした連携対象は具体的に以下に示すとおりである。

第Tグループ“アグリ・バイオグループ”
(農業生産法人イソップアグリシステム、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合、農業普及センター、森づくりセンター、水産試験場)

第Uグループ“ビジネス・商工グループ”
(商工会議所、北海道中小企業家同友会北見支部、産業クラスター東オホーツク(NPO法人)、オホーツクテクノプラザ)

第Vグループ“生活・教育グループ”
(オホーツク・大学間交流協議会、オホーツク地域振興機構、網走教育局、教育委員会、生活協同組合)

第Wグループ“自然保護・NPOグループ”
(グリーンシーズ(NPO法人)、北見NPOサポートセンター、知床財団)

第Xグループ“行政・自治体グループ
(網走開発建設部、北海道網走支庁、網走市、北見市、紋別市、網走管内町村会)

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2.平成18年度

 「地域資源の総合的利活用に基づく総合実学教育プログラム−現代オホーツク学の構築と学生参画による地域活性化を目指して−」を具体化するためのコンソーシアムの具体化と、平成18年度に作成したデータベースの具体的な利活用方策を新たに検討し、地域活性化プランを実現する。

 地域資源の総合的利活用に基づく総合実学教育プログラムを具体化するために単に教育手法をコンソーシアムで共有するだけではなく、コンソーシアムを新たな教育システムの重要な情報として捉え、戦略的に教育システムを策定し、改定へとつなげていくサイクル(PDCサイクル)を構築し、新たなマネージメントへのアクションとして重視する。

 さらに、コンソーシアムの構築のもとで「オホーツク実学センター」との連携した教育研究を実現するためのプログラムとして5つの基本的教育プログラムと1つのスペシャル教育プログラムを実践する。またコンソーシアムに参画した社会人をこうした活動をもとにリカレント教育コースとして社会人入学をさせるというフィードバックする専門コースを学部と大学院に設置する。

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3.平成19年度

 実施したプログラムの自己点検評価と外部評価を行い、プログラムにフィードバックする。「オホーツク実学センター」においては、経済指標、教育学習評価方法の開発を行ない、異業種間・分野間研究交流ネットワークを構築し、学士の資格(ジョイントデグリーを含む)のみならず@「オホーツク博物士」、A「オホーツクツーリズム士」B「オホーツクビジネス起業化士」など新たな資格取得を可能にした実学教育体系を具体化する。そうした上で、教育成果を向上させ、地域の活性化を図り、社会に有用な人材の輩出を実現可能なものとしていく。

 実施したプログラムの総括的取りまとめを行い、実践総合農学会でのワークショップでその成果を発表し、最終的には出版物として取りまとめ刊行する。

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