東京農業大学

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水産増殖学研究室
NEWS
写真1 岩手山

2009年3月17〜21日

2人の仲を裂くもの

 生態学会参加のため、岩手・盛岡へ行ってきました。会場は岩手県立大学(写真2)、大学の前には岩手山がどっしりとかまえています。立派な山です(写真1)。参加者は1000人以上、ポスター発表は写真3のような体育館や廊下などで熱気むんむんで行われていました。
 盛岡市内には北上川が流れています(写真4)。北上川は長さ249km、流域面積10150km2、日本第4位の大きな川です。川は太平洋へ注いでいます。河口ではシジミやカキがとれます。写真5は気仙沼で「森は海の恋人」という流域環境保全運動に取り組んできたカキ漁師の畠山重篤さん。学会シンポジウムでお話を聞くことができました。

写真2 岩手県立大学 写真3 ポスター発表会場
写真4 北上川 写真5 畠山重篤さん
写真1 島根大学

2009年3月4〜8日

だんだん

 とは出雲弁で「ありがとうございます」の意味です。さて、その出雲、島根大学(写真1)に共同研究のため行ってきました。ここには全国でただ一つの「汽水域研究センター」(写真2)があります。というのも島根には日本最大の汽水域、宍道湖・中海があるからです。
 今回はその中海で採集された底生動物の分析(写真3・4・5)や打合せをしてきました。様々なところを見て比較研究すると、自分のいる場所をより深く理解することにつながります。私にとって島根と網走は学生時代からのフィールドですが、離れた2つの場所を見続けられたことは財産だと思っています。  

写真2 汽水域看板 写真3 顕微鏡
写真4 ヨツバネスピオ 写真5 オフェリアゴカイ
写真1 おとなしい牛

2009年3月3日

桃の節句

 を迎えた今日、網走地方は快晴です。写真1の奥に見える山は知床連山。知床半島の背骨です。その下に広がる白いじゅうたんは、流氷です。岸の間に少しすきまが出来て海が見えています。流氷の白は手前の雪と何となく色が違うと思いませんか。
 大学からちょっと出たところの何ともないいつもの風景ですが(写真2)、こういう景色を眺めるとホッとします。大学へもう少しという所で、網走湖を見ると(写真3)太陽が沈もうとしていました。

写真2 山田さん 写真3 パネルディスカッション
写真1 おとなしい牛

2009年2月25日

生きものづくり

 今、網走川流域上流の農業者と、下流の漁業者のみなさんが手をつなごうとしています。今日はその連携フォーラムがあり参加してきました。ところで、写真1は網走川上流の津別で「オーガニック牛乳」という有機牛乳を作られている山田さん(写真2)の牛です。山田さんは、牛の餌となるコーンなど全てを農薬や人工肥料を使わずに作っています。そうした餌を食べた牛が出すミルクは本当においしいです。機会があったら是非飲んでみて下さい。
 連携フォーラムでは(写真3)、有機農業や環境低負荷型農業を工夫して実践していくことで、より収量・収益の高い農業を確立できること、その結果として流域環境の保全につながり、川と湖そして海が生産基盤の水産業にもプラスになること、そして集まったみなさんがその先駆けになっていくことが話し合われました。    

写真2 山田さん 写真3 パネルディスカッション
写真1 晩成

2009年2月20日

晩成

 冬の十勝に大シジミを追って行きました。大シジミが住む沼は北海道十勝、大樹町の晩成というところにあります(写真1)。この晩成という土地は、実は十勝・帯広の開拓に重要な貢献をした開拓者・依田勉三さんのつくった「晩成社」の跡があります。晩成社についてはまた後日お伝えするとして、北海道を代表するお菓子メーカーが作った「マルセイバターサンド」というのがありますが、このお菓子は晩成社のバターを記念してつくったものだそうです。
 さて、大シジミですが沼は完璧に氷っていました(写真2)。夏にショベルが掘っていた湖口もがっつり氷っています(写真3)。水温を測ってみると、氷の直下は0℃ですが、底は塩分が高く5℃近くもありました。いろいろと興味深いことがわかりました。    

写真2 生花苗沼 写真3 湖口付近
写真1 番外地

2009年2月17日

ドスも凍るぜ

 北海おろし。と書かれているのは左のとある映画のポスターです。この映画は大人気、出演している俳優さんも大人気、ということで、網走の知名度を全国レベルにしたのはこの映画をはじめ数多くの映画の舞台として、ここ網走が取り上げられたことが大きいと思います。このポスターはできたばかりの網走の道の駅の2階に飾られています。
 ところで、流氷が接岸しました。写真2は能取岬の灯台の彼方にある流氷です。流氷を見に来た観光客の皆さんはきっとうれしいでしょう。やはり冬は冬らしく寒くて流氷がガンガン来てくれないと困ります。
 写真3は臨海センターへ続く道です。遠くに見える青い水面がわかるでしょうか。能取湖です。能取湖は今年は全面結氷していないのです。はっている岸沿いの氷も薄くて釣り人が落ちる事故も起きました。隣のサロマ湖は全然凍っていません。水温は凍るぎりぎり一歩手前だそうですが。
 今年の冬はこれで終わってしまうのでしょうか。

写真2 能取岬の灯台 写真3 能取湖へ
写真1 渚滑川

2009年2月12・13日

ゆく河の流れ

 は絶えずして、とは方丈記の有名な一節です。12・13の2日間かけて網走管内の1級河川を見て回りました。網走管内には、4つの1級河川があります。1級河川とは国が直轄管理する経済産業環境上重要な河川です。
 網走では冬の川は川岸から氷が張り、その上に雪が積もってどこに川があるのかわかりにくくなります。写真1は渚滑川、写真2は湧別川、そして写真3は改修工事中の網走川です。
 川の工事は冬が多いようです。川水が少なくて制御しやすいこと、雨も降らないこと、公共工事のスケジュール的なこと(道路工事も冬が多い)などが理由でしょうか。
 水の流れは確かに絶えませんが、しかし、現在の川は本当は「息も絶え絶え」なのかもしれません。

写真2 湧別川 写真3 網走川
写真1 食堂

2009年2月11日

パン食い競争

 再び濤沸湖です。ラムサール条約に登録された湿地で、白鳥公園が整備されています。観光客は白鳥の餌として売っているパンの耳を、せっせとまいています(写真1)。鳥たちはある程度お腹いっぱいなのか、パン食い競争とまではいかない模様で、一部の鳥たちがガツガツ食べていました(写真2&3)。
 白鳥たちは家族で来ます。餌の少ないこの時期、観光客がまく餌がなかったら、飢え死にする子供はより多かったかもしれません。日本に来る渡り鳥は現在200万羽、年々増加傾向にあるそうです。  

写真2 オナガガモ 写真3 若い白鳥
写真1 流氷

2009年2月6日

オホーツク産

 の流氷が来ました(写真1)。だいぶん岸に近いですね。海から吹いてくる風はとても冷たいです。ようやく少しは冬らしくなってきたかなあという感じです。
 ところで、冬が近づくと渡り鳥がやってきます。網走は湖の町でもあり、それらの湖には本当に数多くの鳥が来て、一時期を過ごしていきます。
 写真2は、凍った藻琴湖で頭を体にたたんで休んでいる白鳥の群れ、写真3は隣の濤沸湖の白鳥とカモ類です。ところで、2つの湖の間は2 kmくらいです。白鳥の群れはどんなルールで動いているのでしょうか。

写真2 藻琴湖の白鳥 写真3 濤沸湖の鳥たち
写真1 高田博士

2009年1月31日

手がかり

 韓国の釜山大学から、共同研究のため高田博士が来られました(写真1)。博士はこれまで何回か紹介した有孔虫と呼ばれる原生動物を指標生物として、生態系や環境の歴史的変遷過程を研究されています。
 有孔虫は石灰質の殻を作ります。貝類と同じようにこれらは化石として残りやすいので、過去を知る手がかりになるわけです。そうなんですが、より正確に過去の環境状態を推測するには、現在生きている個体の生態を詳しく知る必要があります。そこで、今回は現在生きている有孔虫を用いて飼育実験を行います。写真2はサロマ湖産の有孔虫です。きれいな姿ですね。
 ところで、写真3は1500万年前の地層にあった「有孔虫の殻の中につまっていた泥」です。この様な「実体の痕跡をとどめているもの」を印象化石といいます。

写真2 生きている有孔虫 写真3 有孔虫の印象化石
写真1 Zメン09

2009年1月23日

就活

 ついこの間研究室に入ったばかりと思っていた3年生は、就活が本格化しています。当キャンパスでも今日は業界説明会と言うことで、様々な業界の会社の方々が来て直にお話を聞かせてくれます。
 増殖研3年生もピシッとスーツで決めて出陣です。○○さんは満面の笑顔です(写真1)。こっそりと会場へ様子を見に行くと、みんな真剣にお話を聞いています(写真2&3)。私の授業もこの様に聞いてもらえるよう努力しないとなりませんね…。ところで○○君、目、開いてる?

写真2 各ブースで説明を聞く 写真3 ううむ
写真1 白い砂漠

2009年1月16日

湖の歴史

 昨年8月の能取湖に続き今日は藻琴湖でコアサンプリングです。今年は暖冬のため氷の厚さが心配でしたが、何とか氷上へ上陸して調査地点まで歩き(写真1)、まずは穴掘り(写真2)、そしてコア取り(写真3)です。目標は過去500年分の堆積物でしたが、予想を上回る量の土砂が近年降り積もっているようです。1.78mのサンプルが取れましたが、過去何年分に相当するかこれから分析です。
 研究室にコアサンプルを持ち帰り(写真4)、処理をしていきます。参加した3年生曰く「とても泥とは思えない扱いですね」。そりゃそうです。このサンプルは湖と流域、沿岸域の相互作用の歴史を記録しています。その解読のための大切な記録です(写真5)。
 お手伝いいただいた網走漁協藻琴部会の皆様、寒い中ありがとうございました。

写真2 穴掘り 写真3 コア取り
写真4 コア分割 写真5 有孔虫を見る
写真1 修行

2009年1月14日

お正月点景

 あけましておめでとうございます。あけたとおもったらアッというまに、14日になってしまいました。先が思いやられます。ところで、大学は7日に授業再開。明日からはもう後期試験になります。この間の出来事をいくつか。
 写真1は増殖研の佐藤君と網走川へシジミ飼育用の水を汲みに行ったところ。帰り際、網走湖の湖口をみると(写真2)、氷の縁にやつ(ざらし)がいました。悠々としています(写真3)。
 この冬も、網走湖へ遡上する塩水を止める実験をしています(写真4)。網走湖は北海道の内水面漁業最大の生産地ですが、様々な環境改変の影響は色々な問題を生んでいます。ちょうど水産学会北海道支部会大会が当学科で行われ、そこで北海道の内水面漁業の課題が話し合われました(写真5)。

写真2 網走湖の湖口 写真3 通称「ざらし」
写真4 塩水止め実験 写真5 水産学会支部会シンポジウム
写真1 オンネキキン川

2008年12月31日

今年

 も残すところあとわずかとなりました。様々な方達にお世話をいただいて、増殖研メンバーの活動は支えられています。ラグビーには"All for one, one for all."という言葉があると、だいぶ昔に先輩に教えてもらったことがありますが、それぞれの役割分担を自覚してチーム一丸となって目的を達成しようと努力するときには、本当にこうした気持ちは大切だと思います。
 とかく、様々なものをデジタルにバラバラにしようとする力が働く世の中で、小さな差異をもとに人をいじめて悲しい優越感を求めたり、傲慢になったり、あらゆることに"All or nothig"のような問いや考えを持つことは、人間的ではないと思います。そしてこのことは、流域の問題に取り組むときにも大切なことだと思っています。
 ともあれ、来年も網走・オホーツクでの活動に精力的に取り組んでいきたいと思います。本年も本当にお世話になり、ありがとうございました。みなさま、どうかよいお年をお迎えください。

写真2 タッコブ川の近く 写真3 網走湖へ
振り返る山本君

2008年12月9日(2)

月曜日は

 お風呂をたいて〜という記事を載せたのは今年4月21日のことです。掃除当番がうまくまわるかどうか心配していました。狭い研究室、来年はさらに20人以上増員なので全部で40名以上の大所帯になります。こうなると掃除はますます重要です。
 写真は4月から現在までの掃除当番表です。最近はだんだんと丸の数が減ってきているような気がします。このままではフェアではないので、掃除大臣の提案により掃除をやらない人に何らかのペナルティーを課すことになるかもしれません。忘年会の場で発令でしょうか?

写真1 網走湖遠景

2008年12月9日

昼寝

 写真1は大学構内から見えた網走湖の夕景です。夕空の色がきれいだったので撮りました。オホーツクは風景写真が好きな人にはきっと格別なところだろうと思います。
 今日は研究室の佐藤君と一緒に藻琴湖へ行ってきました(写真2)。藻琴湖に飛来する水鳥の様子を観察するためです。天気は良かったですが、藻琴湖の湖面には薄氷が張っていました(写真3)。薄い氷の上で鳥たちは大いに寝ていました。うらやましい…ですね。

写真2 藻琴湖へ 写真3 鳥よ
写真1 談話会会場

2008年12月5・6日

思い出の味

 日本ベントス学会は、日本全国のベントス(底生生物)の研究者の学会です。ベントスと一口に言っても、何をテーマにするかで実に様々な研究者がいます。
 ところで、ベントスとそれに関心を持つ北海道・東北在住の方々が、1年に1度集合してじっくりと研究発表・意見交換する北日本ベントス談話会という研究集会が今年は釧路であり、千葉先生と参加してきました(写真1)。夜遅くまで様々な議論をして、また色々な発見があってとても勉強になった2日間でした。
 談話会終了後に、開催者の研究者の方が勤務する北海道区水産研究所に立ち寄りました(写真2)。館内にニシンの標本があります(写真3)。なんと15歳の個体の標本があり、今となってはこれはとても貴重なものです。
 今日の釧路は青空でした(写真4)。最後に釧路でとても人気のある食堂でスパゲッティを食べました。子供の頃、めったにない外食で食べたごちそうの味がこれだったことを思い出しました。

写真2 北海道区水産研究所 写真3 貴重なニシン標本
写真4 青空の釧路 写真5 山彦のスパゲッティー
写真1 世田谷キャンパス経堂門

2008年11月23日

白鳥よ

 秋晴れの東京(写真1)を発ち、網走へ帰りました。まずは空港からの帰り道でしじみラーメンを一杯いただきます(写真2)。なんか今日は特にしじみエキスが濃厚にラーメンのスープ(塩味がお勧めです)と一体化して味を引き立てています。とてもおいしかったので、スープを全部飲みました。
 その後、夕日がきれいだったので網走湖へ行きました。見ると白鳥が沢山います(写真3)。じっと見ていると、首を水中に突っ込んでいます(写真4)。何をしているのでしょうか?大いに気になるところです。
 研究室へ戻るとキャンパスは雪化粧です(写真5)。北国に帰ってきました。

写真2 しじみラーメン 写真3 夕暮れの網走湖
写真4 白鳥 写真5 白いキャンパス
写真1 博物館遠景

2008年11月21日

江戸時代はみんなマイボトルだった

 推薦入試面接のため、世田谷キャンパスに出張しました。東京は秋真っ盛りという感じです。今年は農大の大学博物館の運営委員にもなっているので、久しぶりに博物館見学に行きました。
 「食と農の博物館」というのが正式な名称です。大学の向かい側に渡ると、馬事公苑へ続く道があります(写真1)。博物館はその道沿いにあります(写真2)。
 企画展示は写真3のように、レムールというマダガスカル島で独特の進化を遂げたサルについてと、造園学科の紹介が行われています。レムールは併設するバイオリウムで飼育されており、様々な種を見ることができました。また、様々な種類のベタ(闘魚)が販売されていてびっくりしました。企画展示は非常に興味深く面白かったです。
 博物館には売店や喫茶コーナーもあってとてもくつろいで農大や農学とその広がりについて知ることができます。常設展示では、農大OBの蔵本の酒瓶、鶏の品種など様々な興味深い展示があります。それらの中に江戸時代の「貧乏徳利」の展示解説があり、しばし、たたずむことになりました。

写真2 博物館近景 写真3 展示内容
写真1 発表する山本君

2008年11月10日

やってみてわかる

 卒論計画発表の日が来ました。なんせ21人いますので、2〜3回に分けないとやる方も聞く方も大変です。本日は第1陣。はじめての「プレゼンテーション」ということで、かなり頑張っていたように思います。
 慣れないパワーポイントというソフト、やったことがない「見てわかってもらう工夫」、そもそも研究の背景をどう理解したらいいのか、などはじめてのことで、ワーワーギャーギャーもうわやです。
 先方のM田君は大いに緊張、よくわかならいことを言っていましたが、よくまとめたと思います。今日の締めはY本君(写真1)。さすが様々な修羅場を乗り越えてきたのか、落ち着いた発表ぶりでした。発表は第2回、第3回と続きます。

写真1 初冬の天都山

2008年11月6日

それぞれの日常

 今日は網走湖へシジミの調査に行きました。現在様々な視点から研究を進めていますが、今日は季節的な潜り行動についての調査です。船から網走の展望台・天都山を見ると(写真1)、山の木々はすっかり黄金色です。網走は初雪が降りました。もういつでも冬化粧できるでしょう。
 さて、シジミは何地点かで採泥器を用いて調べます。写真2は採泥器で獲れたシジミの様子。こんな感じで普段は生きているんですね。
 その一方で、増殖研の3年生は卒論の計画発表の準備に追われています。研究室も大入りです(写真3)。けっぱれ〜。

写真2 採泥器で獲れたシジミ 写真3 満員
写真1 川縁で採集する2年生

2008年11月1日

思い出の風景

 2年生と一緒に川遊びに行きました(写真1)。場所は知床半島の付け根にあたる斜里町を流れる斜里川水系幾品川です。ところで、大都会で育った人の思い出の風景にある川はどんな様子なのでしょうか?私が生まれ育ったのは北海道小樽市です。通っていた小学校のすぐ側を川が流れていました。見事な三面コンクリート張りの川です。都会でもない北海道の港町で育った私の記憶にある川は、実はそういうわけで何となくさびしいものです。
 川へ入り、生き物を探して、獲ってみると、それまで静かだった2年生も盛り上がってきます(写真2&3)。川についての難しい理屈はさておき、まずは自分自身で川に入って触れてみること、大切なことだと改めて思いました。

写真2 何が獲れたかな 写真3 ヤマメ
写真1 札幌きたえーるの弓道場

2008年10月25・26日

試合

 ポロ沼から戻り、札幌へ行きました。実は私は弓道部の部長を引き受けています。この日は大事な試合があるので、応援するためです。多くの先生方は何だかの部活の顧問を引き受けています。増殖研の3年生もテニス、ボート、釣り、準硬式野球、アニメなどいろんな部活に入って活躍しているようです。弓道部にも増殖研の強者がいます。
 北海道内のいくつもの大学が集まっての試合です。ほとんどのところが自前の道場を持っていますが、我々にはありません。そんなハンデを持っていても、今回も立派な試合をしてくれたと思いました。

写真2 試合にのぞむ 写真3 きりり
写真1 快適なゴムボートの旅

2008年10月23・24日

日本最北のシジミたち

 サハリンから戻り、ポロ沼へ出かけました。研究室3年生の齋藤君、那須さんと栽培公社の方々との現地調査です。6月の調査の時は風が強くて寒かったので、連れて行った2名(今回とは違う)は凍える中でよくやってくれましたが、さて今回は、天気はあいにくでしたが気温が高く、さらに、水位が高かったおかげでボートで移動できたため、非常にスムーズに調査を進められました。
 さて、そろそろ私たちなりの調査結果と考察を出さなければなりません。。。

写真2 採泥器と悪戦苦闘 写真3 ポロ沼の泥
写真1 駅前のレーニン像

2008年10月16〜22日

北緯48度

 サハリンへ行ってきました。去年に引き続き海岸線状況の視察と、海岸生物の調査のためです。今回はサハリン島南部の主要な海岸線を広く見ることができました。総移動距離は約800kmにもなりました。
 最北の到達点は大シジミがいるというアインスカヤ(来知志)湖です(写真2&3)。その他、サハリン島の日本海側(写真4)、オホーツク海側(写真5)の海岸を巡りました。
 海岸線、山や川、木や植物、街や人々の様子をじっくり眺めながら、色々なことを考えさせられました。今回の成果を今後の調査研究、ロシアの方々との交流に生かしていきたいと願っています。写真1はユジノサハリンスク駅前広場のレーニン像です。

写真2 アインスカヤ(来知志)湖 写真3 アインスカヤ湖のシジミ
写真4 クラスノゴルスク(珍内)付近の海岸 写真5 ザオゼルナーヤ(樫保)付近の海岸
写真1 20周年記念式典

2008年10月11〜13日

良い素材は裏切らない

 収穫祭が行われました。同時に当学部が網走に開設されてから20周年の記念行事が行われました(写真1)。開設から20年、開設に至るまでの準備期間12年という時間、開設に際しての網走の方々の思い、そういったことを自分なりに考える機会が持てました。
 記念式典にあわせて大学の創始者榎本武揚のシンポジウムも開かれ、様々な経緯、歴史を知ることができました。一方、増殖研の3年生はサケのチャンチャン焼きで出店です(写真2&3)。何とか赤字経営にならなかったのは、やはり同じ研究室の山本君が朝獲ってきたサケの味の良さ!、でしょう。

写真2 増殖研の店 写真3 働く2人
写真1 陸水学会大会

2008年10月11日

第73回

 陸水学会大会が札幌の北大で開かれたので参加してきました(写真1)。今年度の始まりは水産学会でしたが、これで今年3度目の学会参加になります。ふと見ると、北大構内の木々はすっかり色づいていました(写真2)。
 例によってポスター発表、講演発表、シンポジウム、自由集会など目白押しにスケジュールが組まれています。会場では熱気のある議論です(写真3)。ところで、陸水とは何か知っていますか?

写真2 北大構内 写真3 ポスター発表会場
写真1 美ら海水族館前で記念写真

2008年10月3〜5日

3237マイル

 今年は南北移動がすごい気がします。水産増殖研の研修旅行で3年生21名と沖縄に行ってきました。目的は美ら海水族館を見学することで、東シナ海の生物多様性にふれてもらい、かえってオホーツク海の生物多様性について理解を深めてもらうことです。
 まずは記念写真(写真1)。そして講義(写真2:佐藤さん、横山さん、ありがとうございました)。次いで自由見学!おおっつ、ジンベイザメだ、マンタだ(写真3)。限られた時間でしたが、3年生は大いに刺激を受けたと思います。
 水族館から帰りのバスの中は静寂が支配していました(写真4)。私は自由時間に首里城見学をしました。装飾されている竜の爪の本数に意味があることを知りました(写真5)。今度はもう少し時間をかけて沖縄の歴史と現状を学び考えられるように訪れたいです。
 ちなみに、今回は団体パック旅行なのでマイルチャージはありません。あしからず。

写真2 講義を受ける 写真3 ジンベイザメ
写真4 帰りのバスの中 写真5 首里城
写真1 スタート地点に並ぶ船

2008年10月1日

1年に1回しか食べられない

 今度はシラウオ漁に同行させてもらいました。朝5時半に出港して、漁開始の6:00までスタート地点で待ちます(写真1)。6:00になるとそれぞれの船が思い思いの場所へ一斉に走り出します。
 シラウオ漁は小船が巻き網を遠くに引っ張っていき(写真2)、それを巻き上げて漁獲します(写真3)。どれだけ獲れるかは漁師さんの知恵の巡らせどころです。この網はどうでしょうか?
 シラウオとワカサギが沢山獲れました(写真4&5)。

写真2 巻き網 写真3 網をあげる
写真4 漁獲物 写真5 シラウオとワカサギ
写真1 網走川の上流側河口部

2008年9月25〜27日

コイがペラにあたる

 網走湖で9月一杯行われるスジエビ漁に同行させてもらいました。朝5時から船で出て、フクベ網(写真2)をはった岸辺へ向かって、網をあげます(写真3)。いろんな生き物が獲れました(写真4)。ウグイはものすごく沢山います。他にハゼ、フナ、アメマスなども獲れました。網は7カ所に設置されていますが、途中網走川の流入部付近(写真1)を船で走っていたらスクリューにどかんとでかいコイがあたって跳ねていました。大丈夫じゃないだろうな。。。
 スジエビは丁寧に選別してから、出荷します。地元の加工業者さんにお邪魔して見学させてもらいました。エビは塩だけでゆでられて見事なおいしさの味になっていました!

写真2 フクベ網 写真3 網をあげる
写真4 漁獲物 写真5 選別
写真1 藻琴川

2008年9月18日

治水・利水・環境

とは、川を管理する国や都道府県の方針を表す標語です。このたび網走4湖沼の1つ、藻琴湖で最大の流入河川・藻琴川の河川改修工事が予定されています。今回、その改修工事をどう進めるかの話し合いが行われました。まず現場を視察(写真1)、マスがたくさん遡上していました(写真2)。その後で集中討論です(写真3)。
 このような場はまさに「応用問題」を解く場です。そこでは様々な価値観がぶつかりあいます。したがって、治水>利水>環境、となるか、治水=利水=環境、となるか、相互の価値が現実に量られるのです。 あなたなら、どのような価値観をもとに、どのような意見を言いますか?

写真2 カラフトマス 写真3 会議場
写真1 知床岬灯台

2008年9月13日〜16日

はるかなり国後

 写真1は知床岬灯台下で磯の生物調査をする千葉先生と研究室3年生2名です。今年2度目の知床調査です。調査を始めてはや3年目、だいぶ慣れた感じもありますが、それでも行くたびに新たな発見(個人的であっても)があります。
 自然界に存在する(した)動植物や岩石鉱物を科学的に認識・分類してその成り立ちを研究する分野のことを自然史学(Natural history)といいます。学問としては西欧で発展し、2千年以上の歴史があります。
 日本で自然史学、特に生物分野である分類学が導入されたのは、ざん切り頭になった明治時代以後、140年程度の歴史しかありません。自然界(=生態系)を構成するものについて徹底的な探求が行われてきた文化圏と比較すれば、身近な場所に何がいるのかさえ知らない現状は仕方ないのかもしれません。「それでいいのか世界遺産!」、千葉先生の言葉です。
 ところで、写真紹介。写真2は砂岩(=岩石!)に穴(写真3)を掘って暮らすカモメガイ(二枚貝)の一種、写真4は見事な色のモエビ(甲殻類)、写真5はユキノカサガイに片利共生するカクレウロコムシ(多毛類)、写真6はシャミセンガイの仲間(腕足類)です。北の海は地味と言いますが、生物の多様性とそれを生み出す進化には、やはり素朴な感動を覚えます。
 岬の調査の際、立ち上がって海を見渡すと国後島がはっきり見えました(写真7)。北海道と同じく、オホーツク海を縁取る島々の一つです。

写真2 カモメガイ 写真3 
写真4 モエビ 写真5 カクレウロコムシ
写真6 腕足類 写真7 雲がかかる国後島
写真1 熊本城

2008年9月5日〜7日

難攻不落

 の天下の名城、熊本城が写真1です。日本プランクトン学会・ベントス学会合同大会に参加するため、熊本県立大学(写真2)に行ってきました。
 学会発表では活発な議論が展開され、とても熱気に満ちあふれていました(写真3)。異なる視点、異なる考え、異なる感性、そして地域によって移り変わる自然、そういった様々なものが混ざり合って色々な化学反応を起こすのが、こうした学会という場の面白さの一つだと思います。
 例えば、オホーツク海と有明海の自然を相互に比較考察すれば、自然への理解をより深められるだろうと思います。

写真2 熊本県立大学 写真3 ポスター発表会場
写真1 発表する千葉先生

2008年8月30日

地に足をつける

 温暖化が地域漁業に与える影響についてのシンポジウムが、大学で行われました。PICES(北太平洋海洋科学機関)のオホーツク海研究会との共同開催です。ロシアの研究者の方々も参加されました。写真1は発表する千葉先生です。
 温暖化という現象は確かに地球全体規模の問題です。でも、日常で最も重要なのは、足をつけている場所、地域での実際の具体的な行動・調査研究・考えること、だと思います。扱う対象がただ大きいということだけで態度もでかくなる様な恥ずかしいことをせず、地に足をつけた研究を誠実に進めていこうと思います。
 シンポジウムの後は打ち上げが行われ、ロシアの方々と一杯飲みました(写真2&3)。

写真2 記念写真1 写真3 記念写真2
写真1 選別

2008年8月29日

川シジミ

 網走のシジミは、網走湖とそこから海へつながる河川下流部の砂泥底に住んでいます。水産資源としてシジミを利用するにあたっては、資源の分布状態、量、質、再生産力などを詳しく知ることがとても重要です。
 今日は、網走湖から海までの河川区間に住む川シジミの調査です。地域の水産関係の方々総出で、朝から夕方まで丸1日のハードワークです(写真1〜3)。私も参加させてもらいましたが、筋肉痛になりました。。。

写真2 重量測定 写真3 川シジミ
写真1 サロマ湖の泥

2008年8月25日

長い筒の意味

 写真1は8月5日に行われたサロマ湖調査で採取された湖底堆積物の様子です。前にも紹介しましたが、例の「筒のぬし」の筒が泥表面にあります。通常の採泥器で採取した場合、水は抜けるので写真1のような状態であがってくるわけです。
 ところが…写真2&3はコアサンプラーで採取した湖底堆積物です。ご覧になってわかるように、ぬしの筒は、底からまっすぐ上に伸びています。これを見て、ぬしの筒がなぜこんなに長いのか、その理由が想像できました。みなさん、どう思いますか?
 泥表面の直上の水に溶けている酸素は、サロマ湖の場合、たびたび不足します。でも、筒を長くのばしておけば酸素のある水を筒の中に引き込むことができるのではないでしょうか。私の仮説ですが…。筒のぬしの生態は謎に包まれていますが、サロマ湖の環境を考える上で何かのヒントをくれるかもしれません。

写真2 棲管の様子1 写真3 棲管の様子2
写真1 キャンパス見学会

2008年8月24日

キャンパス見学会

 昨日・今日とここオホーツクキャンパスでも見学会が実施されました。天気はまずまずでしたが、昨年と同様、多くのみなさんが訪れて下さいました。各研究室を見学するほか、模擬講義や実験実習、学食試食などプログラムは盛りだくさんです。
 当研究室にも学生さんやその保護者のみなさまが訪れてくれました。まず、研究室前で千葉先生の説明を受けた後(写真1)、研究室の中へ入ってさらに説明を受けます。写真2は千葉先生、写真3は水野先生から説明を受けるみなさんです。どうもありがとうございました。

写真2 千葉先生の熱意 写真3 水野先生の極意
写真1 網走湖に沈む夕日

2008年8月21日

網走湖の風景

 やっぱりハードな日々ですが、網走湖へ水くみに行った際に、沈む夕日がとてもきれいだったので撮りました。写真3で湖面上に小さく写っている陰はボートを練習している方々です。もしかすると、研究室のボート部3年生がいたかも…
 空はもう秋です。

写真2 色が変わった 写真3 秋の空
写真1 網走川上流

2008年8月19日

水は流れる

 お盆明けの19日、網走川へ水質調査に行きました。水圏環境学研究室の塩本先生、林君と、網走市役所水産振興係の渡部さんと一緒です。
 あいにくの小雨の中の調査でしたが、上流(写真1)から徐々に下って(写真2)まさに1日がかりで下流まで19地点をまわりました。
 各地点では採水して、透視度、水温そしてpHや硝酸体窒素、COD(化学的酸素要求量)などのパックテストでチェックします(写真3)。また持ち帰った水はさらに分析する予定です。  上流から下流にかけての水質の変化を、体感することができました。写真4(上流)・5(下流)は水の中の有機物量を指標するCODのテストですが、色の違いがわかりますか?

写真2 釣り人がいた 写真3 水質テストをする塩本先生と林君
写真4 上流のCOD 写真5 下流のCOD
写真1 ポロ沼の看板
写真2 塩止めフェンス

2008年8月12日

シングルモルト

 北海道の短い夏、今年はほんとに短かったように思います。そんな夏の一こま。お盆入り前の11・12日に、6月にも行った猿払村・ポロ沼へ現地調査に出かけました。ポロ沼のそばには写真1のような看板が立っています。
 塩分の影響が強くなった湖内で、最大の流入河川であるポロ川流入域付近をフェンスで囲うことで、シジミの生息や繁殖に好適な条件を作り出してみようとする野外実験です(写真2)。
 歩いて調べてみると、フェンスの内外にそこそこシジミがいます(写真3)。ただ、ごく小さい個体はほとんど見あたらないので、繁殖はうまくいってないのでしょうか。力尽きた個体も見られます(写真4)。
 ポロ沼へ淡水を供給している上流が気になったので(写真5&6)、源流まで見てみました。意外にあっというまに源流にたどりつきました。写真7がそうです。何と藪の中ですが、農業排水路として整備された末端部分に位置していました。そこら辺から細々と湧いているようです。一方、下ってオホーツク海との接続口をみると(写真8)、海水がざっぱり入るようになっています。
 シジミが住める汽水は、海水と淡水の絶妙なブレンドがいります。今回上流から海側河口まで実際に見て回ることで、ポロ沼の現在の汽水の状態を考える大切な機会を得ることができました。

写真3 ポロ沼産シジミ 写真4 シジミの亡骸
写真5 ポロ川の河口 写真6 細々とした流れ
写真7 藪の中 写真8 ドドーンとオホーツク海
写真1 能取湖の干潟

2008年8月8日

能取湖の風景

 試験、フィールド調査、各種講演発表など今週はかなりハードでした。大学も夏休みに入り、大学の中も静かになったように思います。ここらで少し、休憩しますか。
 写真は能取湖、臨海センター付近で最近とったものです。写真2は臨海センターにかかる2本の虹です。2本同時の虹は初めて見ました。
 

写真2 臨海センターにかかる虹 写真3 能取湖の夕日
写真4 秋!?の空 写真5 夜と昼のブレンドの色合い
写真1 マッケラス式ピストンコアラー

2008年8月1〜7日

タイムマシン

 写真1は「マッケラス式ピストンコアラー」という湖の底の堆積物をとる装置です。水底の堆積物(砂泥)を取る道具は実は色々な種類があります。コアラーは「細く長く取る」ための道具です。
 湖の底にたまった堆積物は、その場所にずっと昔から降り積もってきたものなので、過去の環境の歴史を記録したタイムレコーダーです。したがって、堆積物を取る長さは過去の時間に比例していることになります。歴史を知ることはとても重要で意義あることです。「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目となる」です。環境の将来変化を予測考察する上でも極めて有用な情報が得られます。
 今回、島根大学汽水域研究センターの瀬戸先生との共同研究として、能取湖をはじめとする網走周辺の沿岸海跡湖でコアサンプリングによる研究を開始しました。
 臨海センターでサンプラーを組み立て、乗せて(写真2)、「かいよう2」で出港です(写真3)。能取湖最深部地点で投入(写真4)します。このサンプラーは、船からホースをつなげてピストンに空気を送り込むことで筒を底に刺して、かつドラムの中に空気を入れることで自力で浮かび上がらせる、という技を使います。
 投入して、筒を突き刺し、感触を得ました。ドラム内へ空気を送って浮かび上がるのを待ちます(写真5)。なかなか…来ない、と思ってカメラを降ろしたとき、ドバーッと来ました(写真6)。すごい!取れたのは能取湖3000年の歴史です(写真7)。増殖研3年生とこのサンプルの分析に取り組みます。

写真2 積み込み 写真3 かいよう2初陣
写真4 マッケラス投入 写真5 まだかな、まだかな
写真6 きた〜 写真7 能取湖3000年の歴史
写真1 湖口開削

2008年7月14日

大シジミの日

 以前も紹介した大シジミがすむ沼に行ってきました。年に1回だけ漁をしているのです。沼に行ってみると、海岸を掘削していました(写真1)。湖水を海へ流して、干上がらせるようです。
 水が引いた沼は干潟状態です(写真2)。そこへ沢山の漁業者の方々が来てシジミ採りに精を出していました。
 増殖研3年生2名を含む我らが調査隊も出陣です。(写真3)シジミは泥の中に埋まっています(写真4)。とれたの見るとどうですか?(写真5)大きいのは5 cm級です。どうしてこんなに大きいのでしょうか?この素朴な疑問に取り組んでいきます。

写真2 シジミ採りの人々 写真3 調査隊は行く
写真4 泥の中のシジミ 写真5 沼の主
写真1 サロマ湖の底

2008年7月12日

泥のつつ

 サロマ湖調査へ行ってきました。今回、底の泥を採集していて不思議なものを見つけました。泥の表面に、何かひも状のものがたくさんあります(写真1&2)。いったいなんでしょうか?よくアマモなどの枯れた葉がつもっていることがありますが、植物性のものでしょうか?
 研究室にサンプルを持ち帰り、サンプルの整理をしながらじっくり観察しました(写真3)。どうも筒状のものです。ということは、筒のぬしがいるはず。どんなやつでしょうか?そうこうしていると、サロマ湖卒論担当の末沢君が筒の先から何か出てくるのを発見!
 顕微鏡で見てみると(写真4&5)、筒のぬしは環形動物多毛類のカザリゴカイの1種だということがわかりました。筒の長さの割に体の長さは1cm程度です。どうしてこんなに長い管をつくるのでしょうか?

写真2 泥表面の謎の物体 写真3 調べる末沢君
写真4 出てきた! 写真5 筒の主
写真1 臨海センターに集合

2008年7月11日

ホッカイエビ飼育実験

 飼育していたホッカイエビ(北海しまえび)の放卵メスから幼生がふ化しました。ひと月経って、体長7mmほどだった幼生も15〜20mmまでに成長したので、この日は、生存数の確認と密度調整を行いました。4年生の塚越さんの指導の下、増殖研3年生も少々手伝いました。1匹1匹ダメージを与えぬように計測するのは、根気のいる作業です。じみ〜な作業ですが、これも重要な研究プロセスです。3年生はそろそろ卒論テーマを決める時期ですから、どんどん色んな調査・実験を手伝って、イメージを現実にしてください。

 幼生飼育器 腰が痛い
写真1 調査出発

2008年7月1日

ザ ブレンド オブ アバシリ

 網走湖は長さ約7kmの河川下流部でオホーツク海とつながっています。満潮で海面が高くなった時に、川底を伝って海水が網走湖へ流れ込みます。網走湖の汽水は海水と上流から流れ込む陸水の微妙な混ざり合いでつくられています。
 ところで、網走湖から海までの流路にはシジミがかなりいます。しかしその生態はよくわかっていません。これまで繁殖状況の調査を行いましたが、再びさらに詳しく下流部のシジミと底生動物について調べることにしました(写真1〜3)。
 調べてみると結構大きなサイズのシジミがいます(写真4)。川のシジミと湖のシジミはどのような関係にあるのか(写真5は網走湖の湖口)、など調べたいことはたくさんあります。北海道最大のシジミ資源と汽水域の保全のために努力していきます。

写真2 新橋に向かう 写真3 刑務所前の干潟
写真4 刑務所前のシジミ 写真5 網走湖の湖口
写真1 晴れの日のポロ沼

2008年6月24日

奪われる熱、まわる風車、ぬかるむ足

 ポロ沼は日本の北端に近く、網走キャンパスからはオホーツク沿岸線を北上して約5時間くらいの猿払(さるふつ)にある面積約1.8km2の小さな沿岸海跡湖です。かつてヤマトシジミ漁業が成り立っていましたが、現在では再生産がうまくいかないような状態にあるようです。
 そこで、私たちはポロ沼のシジミ資源と環境の状態を調べるための共同研究の一環として、第1回現地調査を行ってきました。写真1は2006年8月に訪れた時の遠景ですが(遠くに風力発電機が見えます)、今回調査時は写真2&3のようなあいにくの天気、調査時の気温は約9℃、東の風8mで調査に参加した研究室3年生は寒かったろうと思います。また、沼は歩けるような水深で、ぬかる泥底をボート&荷物を引っ張って歩くというハードなものでした。
 研究室に帰って選別採集してみると(写真4)、とれたのはシジミの貝殻ばかりでした(写真5)。引き続き、シジミと汽水域の保全・再生のための調査研究を進めていきます。

写真2 またもゴムボートで調査 写真3 採泥調査
写真4 ベントスの選別収集 写真5 採集されたベントス
写真1 知床岬

2008年6月16〜21日

知床へ

 今年も知床半島での海岸生物調査が始まりました。約1週間に渡って調査地に泊まり込んで半島全体に設定した地点で野外調査を行います。
 知床半島先端の岬(写真1)へは船で移動し、文吉湾(写真2)という場所でキャンプしながらの調査です。調査地点は岬灯台の下に設定してあるので、岬へ続く台地を歩き(写真3)、台地から海岸へ下りて(写真4)調査に入ります(写真5)。
 調査地から基地に戻ると、場所や採集方法毎に採れた標本(写真6)を記録、撮影、保存します。写真7は最終調査地に参加した3年生と4年生が標本の整理をしているところ。今月はまさに東奔西走です。

写真2 文吉湾へ 写真3 岬の台地を行く
写真4 灯台下の調査地へ 写真5 サンプリング
写真6 採集した甲殻類 写真7 標本の処理
写真1 トビウオ

2008年6月10〜14日

中国への旅

 旅にでると色々なことに気づいたりします。物の見方・考え方を広げ深めるにはとても良いものです。出張で1週間近く中国地方を旅してきました。
 中国地方は鳥取・島根・岡山・広島・山口の5県からなります。総人口は770万人。中国山地を背骨として日本海と瀬戸内海に囲まれた地域です。私が卒業研究で島根県の宍道湖を初めて訪れたのが1991年、この地域の方々と自然にはもう17年お世話になっています。
 旅先でのスナップを紹介します。写真1は島根県立海洋館アクアスにいる島根県の県魚トビウオ。写真2は中国山地の山あいの風景。写真3は広島市内の太田川でシジミを採る人。写真4は呉港。そして写真5は瀬戸内海の夕日です。

写真2 中国山地 写真3 太田川でシジミを採る人
写真4 呉港 写真5 瀬戸内海の夕日
写真1 ホタテガイの鰓

2008年6月6日

パラサイト

 増殖研が担当する学生実験、実習はいろいろありますが、先日1年生対象のホタテガイの外部・内部形態の観察を行いました。その際にホタテガイの鰓に白いつぶがついているのを見つけました(写真1)。
 そのつぶを取り出して顕微鏡で観察してみると(写真2)、見えたのは何とも不思議な動物!?です(写真3)。眼点が2つ、回転するような運動をして水中を活発に運動しています。どうも繊毛による運動のようです。
 私はおそらく扁形動物ではないかと思いますが、みなさんはこの生き物は何だと思いますか?。寄生生物の世界は非常に興味深く、また奥深いもので、多種多様な種がいます。私が最近強く関心を持つものの一つです。

写真2 顕微鏡で拡大写真を撮る 写真3 これは何でしょう?
写真1 サロマ湖養殖組合

2008年6月3日

天気晴朗

 最近ははっきりしない天気でしたが、今日は快晴でした。サロマ湖調査の日です。サロマ湖養殖組合(写真1)、北海道環境科学研究センター、同地質研究所と共同の調査で船の上は総勢11名にもなりました。風は穏やかで、波もなくいざ出港です(写真2)。
 私達のチームは、サロマ湖の湖底に生息する底生動物(ベントス)の採集です。写真3のような「採泥器」という器械を使って、サロマ湖全域に設定した調査地点で5〜17mくらいの深さから堆積物を採取します(写真4)。3年生は初挑戦です。今日は絶好のコンディション。でも、なかなか苦労してました…。ごくろうさま。

写真2 出港 写真3 採泥
写真4 サロマ湖の堆積物 写真5 がんばる3年生
写真1 磯に貼り付く調査隊(知床財団・野別氏撮影)
写真2 コドラート
写真3 キタノムラサキイガイの死殻

2008年5月28日

流氷と磯の生物

 卒論テーマ模索中のメンバーと共に、知床半島で磯の調査を行ってきました(写真1)。今冬の流氷量はこの数年では特に多かったので、流氷が磯の生物に与えるインパクトを調べるのが最大の目的です。
 過去2年間と同じ海岸の同じ地点にコドラート(写真2)を置き、何がどれだけいるのかをひたすら調べます。参加したメンバーは、知床、生物多様性、新種の発見などというキーワードから想像した調査の実際を、どう感じてくれたでしょうか?
 調査結果はこれから解析しますが、昨年までの同時期よりも、明らかに越冬する(多年性の)海藻量が減っていました。また、大型動物も少なく、潮だまりには夥しい数のキタノムラサキイガイの死殻も堆積していました(写真3)。
 これが流氷の影響と結論付けるのは性急ですが、その可能性は高いでしょう。つまり、流氷は知床の磯の群集構造に大きな影響を与えていることが強く推察されます。
 ところで、確かに今年は流氷量が多かったのですが、過去10年、20年と比べるとそれでもかなり少ないそうです。ということは、流氷が減っているという事実は、知床の磯の様相も変わりつつあることを意味するものかもしれません。

写真1 調査開始

2008年5月13日

オイカマナイトー

 北海道十勝、大樹町にある生花苗沼(おいかまないぬま)へ行ってきました。ここに以前紹介した大シジミが住んでいます。大シジミをテーマにして、北海道環境科学研究センター、北海道大学の皆さんと共同研究を始めることになりました。
 今回はその第1回現地調査ということで、水質・底質や沿岸域の生物相、地形や周辺状況などについて予備的な調査をしました(写真1)。写真2で真ん中の砂浜の左側の水は沼、右側は太平洋で、この沼も沿岸海跡湖の一つです。
 研究室の3年生と一緒にゴムボートをこいで沼を周りました(写真3)。ゴムボートはなかなか難しい。特に2人で息を合わせてオールを漕ぐのはなかなか難しかったです。

写真2  写真3 木陰からの網走湖・能取湖
写真1 改修なった網走川上流
写真2 大いに曲がる忠類川上流

2008年5月4日

曲者

 世は連休となり、休みモードですが、休みの日は集中して時間が確保できる時でもあります。さて、この時間を利用して、網走川と忠類川を2日かけてめぐってきました。
 写真1は網走川中上流域です。網走川中上流域ではここ2年ほど改修工事が進められてきました。河川改修は日本全国どこの川でもやっています。特に流域に多くの人が住み、土地を利用している川ではそうです。改修の要点は、大量の水をすばやく流すために(1)まっすぐにする(2)深く掘る、ことです。できれば河道をコンクリで固めれば、スピード・量ともに「理想的な排水システム」が完成するのは間違いありません。
 写真2は忠類川の上流です。見事な曲がり方です。忠類川は知床半島をはさんで根室側の標津町を流れる、中上流域は本来の自然状態がよく残された川です。両方の川の中を歩いてみると、水の流れる速さ(=流速)が違うことを体感できました。何が違うかというと、網走川改修区間では水の中がどこでも速いのに対して、忠類川では水の中に速い・遅いがたくさんあって流れに多様性があるという点です。
 生態系としての川、流域の健康を考えたときには、人はどのように川とつきあえば良いのでしょうか。このことは、とても大切で難しい問題だということを、2つの川を歩いてみて改めて実感しました。
 写真3は途中で見つけた花、写真4は忠類川にいたシノリガモというカモで、川岸から川の真ん中へ出たあと、水中にダイビングして餌をとっていました。見事なのでつい見とれてしまいました。

写真3 ホソバエンゴサク 写真4 忠類川のシノリガモ
写真1 背面

2008年4月26日(2)

エビジャコのぬし

 エビ・カニの仲間を甲殻類と言いますが、陸上の昆虫がそうであるように実に多様な種から構成されています。水産資源として重要なことはいうまでもありません。カニはヒトを沈黙させることができます。
 先日、ゲノム研の松原先生が万泰丸の方々から写真のようなエビをもらったということで、持ってきてくれました。水深1000m台で採れたそうです。エビジャコに似ているけどでかいな、ということで千葉県立中央博物館の駒井智幸博士(甲殻類の分類学がご専門)に写真を見てもらいました。Sclerocrangon属だろうということですが、標本を送って見てもらうことにしました。もしかすると新種かもしれません。

写真2 顔アップ 写真3 頭部側面
写真1 アクア棟階段横の吹き抜け

2008年4月26日(1)

青い湖面

 春の陽気です。また、気分転換に歩いてみました。グランドではアメフト部や野球部が練習しています(写真2)。
 白樺の林から眺める網走湖、能取湖は、やや春霞がありますが、今日もとてもきれいな湖面を見せています(写真3)。オホーツクブルーの空とそれを移す湖面、広がる大地が見ごたえある風景をつくっています。
 しかしながら、網走湖も能取湖もその一見きれいな湖面の下に、様々な問題を抱えていることも事実です。私が関心を持ってきた汽水域が、河川流域と沿岸域の絶妙なブレンドである以上、今まで以上に陸と海のつながりを意識して、研究に取り組んでいきたいと思っています。

写真2 桜のつぼみとアメフト 写真3 木陰からの網走湖・能取湖
写真1砂浜を渡る雪解け水
写真2タネヒラ海岸
写真3オオミノウミウシ

2008年4月25日

磯の春

 もう本格的な春がやってきたということは、本格的な調査シーズンの到来を意味します。春は1年で潮位がもっとも下がる季節であり、磯の調査がもっともしやすい季節でもあります。
 今年の冬はここ数年でも特に流氷が多かったので、そのぶん例年の春とは違う磯の顔が見られるのではないかと期待しています。つまり、流氷が来ることによって、岩礁潮間帯の生物群集がどのように変化するのか、それを調べる絶好の年です。さらに、流氷が減少することで、オホーツクの磯がどうなってしまうのかを、予測できる貴重な年となるかもしれません。
写真1枚目は融雪時にだけ現れる砂浜の川。
写真2枚目は干潮時の潮間帯。
写真3枚目はオオミノウミウシ。美しいバラにはトゲがありますが、可愛いウミウシに毒があります。この詳細は講義「ベントス学」で。

写真1 朝の11号館アクア棟

2008年4月22日

散歩

 しました。大学の周りには「ファイントレール」という立派な遊歩道コースが整備されています。冬はスノーシューや歩くスキーでまわれますし、それ以外の季節は普通に歩いてまわれます。
 アクアバイオ学科6研究室がある11号館(写真1)を後にして、しばらく歩くとふきのとう(写真2)がありました。その後アップダウンがあってしばらくすると大学の裏手の道に出ますが、そこには「大観山(たいかんざん)」とあり(写真3)、すぐそばに呼人方面と網走湖方面を示す標識もあります(写真4)。あまり使われてない道だと思いますが、立派な標識です。大学はこの大観山の山頂に建てられているのです。
 目を転じるとシラカバの林があり、その先に網走湖と能取湖がかすんで見えました(写真5)。

写真2 ふきのとう 写真3 「大観山」の標識
写真4 「直進・呼人2km、右折・網走湖2km」の標識 写真5 春霞の先の網走湖、能取湖
振り返る山本君

2008年4月21日

月曜日は

 お風呂をたいて〜はロシア民謡ですが、研究室では朝1番からゼミがあります。
 しばらくは水産増殖学研究室の一員としての自覚覚醒と、諸注意事項説明、設備などのガイダンスを行います。研究室の学生幹事をはじめ各種係りも決めました。今日は掃除当番制について話し合い、決めました。狭くて限られた空間を最大限効率よく使うには、整理整頓掃除は基本中の基本で、長期航海をして仕事をする船の場合では特に新人は厳しく鍛えられます。さて、ちゃんと掃除できるかな。写真は研究室の設備等について水野先生から説明を受ける3年生。

写真1 道の駅
写真2 のれん越しの風景

2008年4月20日

ちょっと一息

 4/7月曜日から入学式、1年生との温泉旅行があり、4/14から授業、実験が始まり、また研究室へ新3年生が配属されて研究室のリニューアルやガイダンスを行い、、それまでの嵐の前の静けさはどこへ行ったやら、怒涛のごとく新学期が始まりました。
 新たに企画したり、準備したりといったことが目白押しで、あっという間に2週間たってしまいました。そんな中、先週18日に札幌出張があり、今日帰ってきたところです。
 女満別空港から大学まで車で約30分、途中に道の駅があります(写真1)。そこにラーメン屋さんがあり、しばしば出張帰りの際に立ち寄ります。ここの名物はその名も「しじみラーメン」。網走湖産のヤマトシジミをふんだんに使ったスープが何ともおいしく、私は好きです(写真2)。青森県十三湖へ調査に行った際にも十三湖シジミラーメンがあり、おいしかった思い出があります。
 さて、そのあと網走湖畔へ行ってみると、氷はすっかり溶けていました(写真3)。今日の気温は10℃、札幌では20℃もあり、桜も咲いていました。もうすぐ網走でも桜が見れるでしょう。
 ところで、さっきの道の駅で網走湖産シジミを使った「シジミドリンク」を見つけたので購入、う〜む…。身体に良いのは間違いないと思います。東京でもシジミエキスの立ち飲みができる店があります。これで、ゴールデンウィークまで元気に過ごしたいと思います。

写真3 早春の網走湖 写真4 汽水域スピリット
写真1 展覧会のチラシ
写真2 混雑する上野駅公園
写真3 会場への道にあった看板…何か怪しげ?

2008年4月1日(2)

生物への情熱

 東京上野の科学博物館で「ダーウィン展」を見て感動しました。展示はニューヨークにあるアメリカ自然史博物館で企画されたものですが、世界各国の自然史博物館で巡回展示されるような企画になっていて、今年は日本(東京国立科学博物館、大阪市立博物館)で開催されます。
 展示の仕方は、博物館の方の仕事師としての腕の見せ所だと思いますが、今回のダーウィン展の展示には感心しました。ダーウィンが生まれ、学んで、成長し、家族を持って、仕事をして、死ぬまでの人生が、素直に描かれていて、ダーウィンという私たちと同じ一人の人間が送った人生を追体験できるように展示されていたことに、とても好感を持ちました。
 ビーグル号による世界1周は5年にわたりましたが、22〜27歳だったダーウィンにとって、はかりしれない影響を与えただろうと思います。その航海で受けたであろう感激も展示を通じて伝わってくる感じがしました。
 ダーウィンはその人生で、現在の生物学に革命的な影響を与える理論を生み出しました。日本ではよく進化論と呼ばれていますが、現在の科学で進化生物学という分野の根幹をなす理論的骨格を最初に提案する仕事を成し遂げた人です。
 私が感動したのは、一人の人間がその人生を送る中で、色々な経験をつんでいき、成長して、いろいろある人間関係を良好に保ちつつ、自分の興味関心を持ったことを深く追求して、緻密に一つの考えを作り上げ、しかも、世界を改革するような仕事を成し遂げた人だったのだなあ、と感じられたことです。特にダーウィンの「生物と自然への情熱」、「誠実な」人柄をとても強く感じました。
 現在の研究者がおかれた環境と、ダーウィンが研究生活を送った環境は大きく違うと思います。ダーウィンは裕福な家庭で生まれ育ち、生涯食べるに困らない財産を持っていました。が、「好きこそ物の上手なれ」、「下手の横好き」などのことわざはあれど、自分が興味を持ったことを、素直に奥深く追求することで仕事をコツコツと成し遂げていくことは、色んな意味での「多様性」を確保する上でもとても大事なことだと思います。
 とにかく、今回見たダーウィン展は良かったです。機会があったら是非見てください。ダーウィンの言葉で、私が印象に残ったものの一つ(たくさんありました)を最後に紹介します。
 「しかし、どう考えたらよいのかわかりません。優先権確保のために書くという考え方が、嫌なのです。でも誰かが私の学説を私よりも先に公表したとしたら、さぞや悩むことでしょう。ともかく、お気持ち感謝します。(1856年5月、ダーウィンからライエルへの手紙の一部:ライエルは地質学・古生物学研究者でダーウィンの理解者、ライエルは早く進化論を公表するよう忠告していた。その後1858年、自然史学者アルフレッド・ウォレスから自然選択のアイディアに関する手紙をもらって驚いたダーウィンが「種の起源」を出版したのは、着想から20年近くたった1859年のことだった。)」

写真3 国立科学博物館 写真4 私の先生
写真1 東海大学正門
写真2 大会会場
写真3 発表する千葉先生

2008年4月1日(1)

16年ぶりの清水

 新年度が始まりました。水産学会への参加でしばらく静岡県清水に行ってました。会場は東海大学海洋学部(写真1&2)です。
 大会は5日間にわたり行われ、講演発表718題、ポスター発表173題、シンポジウム11企画、要旨集の厚さは1.8cmありました。参加者はどれくらいいたんでしょうか。朝の9:00から夕方18:00過ぎまで、講演発表だと12分間隔であります。発表は11個の会場にテーマ毎に分かれて行われます。というわけで、自分の関心のある発表を聞きに会場を渡り歩くことになります。
 1日中発表を聞いて動き回り、議論や情報交換をし、さらに夜には研究者同士、また旧友や先輩後輩の方たちと交流を深めるためにちょっと一杯…、それも何日もとなると、学会は体力勝負です。
 それは冗談として、エビやカニ、魚や貝などの水生生物の各個体の生き残りは、変動する自然条件下で生き残りに有利な特徴を持っているかどうかにかかっています。本来はそうした「自然選択」が働く自然環境で、長い時間をかけて生物は進化してきました。
 牛や豚、犬や猫、野菜くだもの、米や麦などの生物資源は、もともと自然条件下で生きていた種を飼育して、「人為的に選択」し、資源として利用するのに有利な特徴をもつものを選抜して作り上げた生き物です。
 一方、漁業は自然条件下で生きている野生の動物種をハンティングすることで成り立っています。多くの場合、ハンティングの基準は獲物の「大きさ」です。
 このように考えると、漁業は漁獲対象種の大きさを長期にわたり選抜し続けることで、何らかの「人為的な進化」を引き起こすことが予想されます。この問題は現在世界で最も重要視されていることの一つですが、千葉先生はこの進化水産学という分野の日本の先駆けです(写真3)。今後のこの分野の研究の一層の進展が望まれますし、当研究室はそのための最善の努力をしていきたいと思います。
 ところで、私がはじめて参加した学会が開かれたのが、この東海大海洋学部で今から16年前になります。その時昼休みに校舎のすぐそばの砂浜を歩いたことを覚えていたので、今回も歩いてみました。
 砂浜はすっかりやせていました(写真4)。またも海岸侵食という変化を目の当たりにしてショックを受けましたが、富士山の壮大な姿に少し救われた思いがしました(写真5)。

写真4 三保半島の海岸侵食 写真5 三保の松原から見た富士山

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 所属教員と研究テーマ

水野 眞 教授 e-mail:

【専門分野】

珪藻類の生物学

【現在取り組んでいる主な研究課題と内容】

珪藻類の系統進化


千葉 晋 准教授 e-mail:

【専門分野】

進化生態学、水産学

【現在取り組んでいる主な研究課題と内容】

崩壊することのない持続的な漁業に貢献したいと思っています。特に関心をもって調べていることは、進化から考える水産資源(魚介類)の管理です。自然生態系の一部としての「漁業」を考えます。その他には知床・網走の海岸の生物相や、貝類・甲殻類の生物史や行動なども調べています。


園田 武 講師 e-mail:  個人ホームページ

【専門分野】

水産生態学、保全生物学、汽水生物学、インパクト・アセスメント

【現在取り組んでいる主な研究課題と内容】

オホーツクキャンパスのある網走周辺は、数多くの沿岸海跡湖や大小の河川があり、それらは沿岸域生態系の大切な構成要素であると共に、地域水産業を支える重要な漁場にもなっています。こうした漁場環境において持続的な漁業生産を確保し、水産資源の増殖を図るためには、まず漁場となっている水界生態系、水界生物群集の構造と機能を解明するための基礎的研究が必要です。そして、生態系と生物群集の定期的な健康診断を実施し、その健康が維持されるような知恵と協働作業が望まれます。「健康な漁場環境こそが、おいしく安全な魚介類を育てる」、この様な生態系保全型漁業の確立のために、下記のようなテーマを設定して研究を進めています。

1)沿岸性ならびに汽水性魚介類の生態学的・自然史学的研究

2)沿岸増養殖漁場の環境保全と生物モニタリングに関する研究

3)沿岸域の生態系定量評価手法に関する研究

4)漁業活動、または人為的環境改変事業が水界生態系に及ぼすインパクトの定量評価

5)河川流域生態系および沿岸域生態系の連関に関する研究




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 卒業研究のテーマ
  • オホーツク沿岸に生息する珪藻の分類と進化

  • 培養法による珪藻の生理生態学的研究

  • 能取湖のマクロベントス群集構造と環境特性:湖口開削後30年間の漁場環境変化の研究

  • 網走湖・網走川河口域におけるヤマトシジミの産卵の時空間的パターンに関する研究

  • 漁獲に起因するホッカイエビの生活史変異

  • 貝類の遺伝形質にみられる緯度間変異 〜なぜ、オホーツクの貝類は凍死しないのか?〜


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